2018年10月9日火曜日

20181008 新宿末廣亭10月上席

昼の部
春風亭だいなも…(道灌?)
鈴々舎八ゑ馬…味噌豆
アサダ二世…奇術
林家たけ平…金色夜叉
三遊亭金朝…反対俥
江戸家小猫…物まね
林家しん平…(高級食材〜健康法のはなし)
むかし家今松…近日息子
ロケット団…漫才
柳亭小燕枝…権助提灯
金原亭伯楽…(小噺)
立花家橘之助…三味線漫談(たぬき)
柳家権太楼…町内の若い衆
中入り
柳亭こみち…附子
ホンキートンク…漫才
古今亭文菊…長短
柳家小せん…目薬
翁家社中…太神楽
鈴々舎馬るこ…目黒のさんま
夜の部〜真打昇進襲名披露興行
柳家緑助…つる
笑組…漫才(+南京玉すだれ)
古今亭志ん吉…浮世床
三遊亭歌奴…宮戸川
三遊亭吉窓…大安売り
林家正楽…紙切り
春風亭勢朝
柳家花緑…親子酒
マギー隆司…奇術
柳亭市馬…のめる
鈴々舎馬風…紙入れ
中入り
新真打口上
すず風にゃん子・金魚…漫才
柳家はん治…妻の旅行
五街道雲助…ざるや
鏡味仙三郎社中…太神楽
柳家観之助…妾馬

 ついに初の昼夜制覇を果たした。11:00くらいにつくと、すでに結構な列が。昼の部、小学生くらいのお客さんも多く、とても賑やか。夜の部、披露目の席ははじめて。とても華やいだ雰囲気。ハレの席なんだよなぁとしみじみ。
 開口一番だいなもさん、いきなりものすごく勢い良くて、それだけで笑ってしまった。百栄師匠のお弟子さんとのこと。師匠も近いうちに体験したい。
 伯楽さんは、今日は子供さんが多くいらっしゃるので、子供さん向けに小噺。最初にすでに出ていた味噌豆に入りそうになって、前座さんが知らせに来るというハプニング(?)。
 橘之助さん、今日は代演だと思い込んでいて、伯楽さんが下がられてすぐにトイレに立ったら、三味線の音が!急いで用を済ませて慌てて席へ戻る。橘之助襲名の頃から見たい見たいと願っていたので、ちょっとショックだったが、たぬきを演ってくださって感激。
 今日はお披露目とのことで、後ろ幕が。しかし空調の風で裾が煽られて「ふわぁ〜」と前に上がって来る。権太楼さん、セコい幕だね協会の幕だから、って。中入り後、若干修正され、こみちさん「今わたくしが念力で抑えております」。附子は、小学校の国語の教科書に載っていたので、子供さんを視野に入れてのことだろうか、と憶測するも、今も載っているのだろうか。水あめをしゃぶる仕草なんかは女がやるもんじゃないって言われるんですよ、なんて言いながらも、もちろんサマになっている。権助提灯なんかも拾いつつ。
 いつ頃だったか、文菊さんの長短について書かれたものを読んだことがあり、通常は短気のほうに焦点を当てて演じるが、文菊師匠のは気長の方に焦点を当てているところが新しい、ということであった。たしか。読んだ当初は長短を聞いたこともなかったので、なんのことか、と思ったのだが実際に目撃してみてこめかみが痺れる。ここ最近で複数の演者のものを見ていたことも作用していたと思うが、色々見ていると楽しみが深まる…というのはあくまでポジティブな見方で、結局落語は知らないとあんまり面白くないというネガティブな側面があって、私はこれが実は本質なんじゃないかと思っているのだが、いったいこの芸能はなぜこれまで継承され人々を楽しませ続けているのか。そんなことを考えてしまう。
 夜の部は一気にお祝いムードも高まり、笑組先生の南京玉すだれやら、歌奴さんの宮戸川のサゲは観之助出生の秘密だわ、金魚先生の手作り冠は観之助からもらったものだけで作った特別バージョンだわ(漫才はショートバージョンだった)で大いに盛り上がる。
 馬風師匠のくすぐり、アダルトなやつ。その場ですぐには気がつかず後で気づいて思わずメモ。卑猥なワードが有馬グランドホテルのコマーシャル欄に。
 口上では、司会の吉窓師匠を突き飛ばす馬風師匠。花緑師匠が「馬風師匠にも本当にお世話になり…」とやれば、何かを催促する手をそっと差し出す。三本締めも、名誉会長は会長市馬にはゆずらず笑いをとる。こちらも全篇サービス満点という感じであった。
 そのあとは正蔵さんの代演ではん治師匠。その素敵さに気づく。妻の旅行、調べたら三枝…今は文枝か…の創作らしい。お父さんの飄々とした様子が文枝と言われれば確かに、という感じ。新作はこのように再演されることによってスタンダードとして定着し、やがて古典になっていくのだろう。
 雲助師匠も代演だったのだがずっと見たいと思っていたので、こちらも嬉しく。ここのラインは、ずっと見ていたい感じだ。
 今日まで見てきたところで、伝統という縛りのなかで行われる内輪受けの芸とは対極的に、いわばお約束のない外の世界で繰り広げられるもっとポップな落語も存在していて、こちらもまた継承されつつあり人気も拡大していると感じている。ただしポップな落語も、寄席とはまた別のジャンルのことについて知らないと笑えないというお約束はあるのだが。寄席でポップなものは決して見られない、というわけではもちろんないし、それ以外の場所では寄席的なものは絶対にない、つまり絶対的な2極化がなされているわけでは決してないのだが、相対的に、閉鎖的な寄席の世界とそれ以外を比べてみるという見方はできそうだ。むしろ寄席芸とそれ以外にやんわりと分化されたことで、落語界は豊かになったといえるのではないだろうか。さらに豊穣な世界としていくためには伝統と革新と両方のバランスを保っていくことが必要で、このことは演者だけの問題でなく我々観客にも責任があるのではないかと考えている。

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