2018年5月11日金曜日

20180511 落語家 : 五代目円楽一門会生態録二〇一三 / 三遊亭萬橘

 著者が、20133月にきつつき改メ三遊亭萬橘として真打昇進し、襲名記念として出版されたのが本書である。内容は、当時の円楽一門会の真打35名と二ツ目7名及び前座2名へのインタビュー。円楽一門会というひとくくりではあるのだが、一人一人の噺家の個性が実に鮮やかに描き出されており、落語界のこれまで知らなかった一面を改めて感じ取ることができ、また多様な人々の集う豊かな世界を垣間見ることのできる一冊だとおもう。
 現在落語界は4つの団体で構成されているといって良いだろうが、落語協会が一部上場企業ならば、円楽一門会は、非上場の中小企業ということになるだろうか。そうすると、落語芸術協会は非上場の大企業で、立川流は個人事業主の集団?という図式が、アタマにうかんできた。落語家は全て個人の責任でパフォーマンスを行い自己完結しているので組織にはなぞらえられない、というのが大前提なのであろうが、落語協会や落語芸術協会という括りが存在する以上、組織という視点から個々をみる、という見方も成り立つであろう。落語協会の分裂という出来事は、悲劇として語られることが多かったようだが、ここへきて、落語界が実はさらに豊かに醸成されていたという結果へと導かれてきていた、ともみることができるのではないだろうか。

 個々が自立して存在した上で組織を形成していく、という現在の彼らのスタイルは、現代社会に存在する全ての組織のあり方を考える上での良いヒントとなり得るのではないか、とぼんやり考えている。

2018年4月25日水曜日

20180423 新宿末廣亭4月下席

昼の部 12:00
柳家さん若権助魚
ニックス漫才
春風亭一花黄金の大黒
三遊亭万窓
林家二楽紙切り
春風亭勢朝
三遊亭歌武蔵
笑組漫才
夢月亭清麿時の過ぎゆくままに
桂文楽看板のピン
三増紋之助曲ごま
鈴々舎馬風
中入り
柳家三語楼
ひびきわたる漫談
柳家一九湯屋番
桂南喬ぞろぞろ
翁家社中太神楽
柳家小満ん盃の殿様
 念願かなって、はじめての寄席。落語の演目は、わかるところだけ記録。もし思い出したら、追記していきたい。一花さんは、みどりアートパーク寄席での開口一番が出来心で、大笑いしていたら前に座っていた小学生と思しき女の子がおもむろに振り向いてこちらを「ジロリ」。この時の会は小学生までは無料でご招待だったので、そのくらいの子どもたちが多く、普段にはあるまじき全体平均年齢の低さだったのではないだろうか。その後その女の子はずっと夢の中だったもよう。オバちゃんの笑い声が大きくて、起こしちゃったのかな。で、一花さん、その時からステキだなと思っていたら、二ツ目昇進されたのこと。この日もメリハリが効いていて気持ちよかった。
 歌武蔵さんは、なんとなーく知っていて、なんで知っていたのかはよくわからないが、テレビで見たか何かだろうか。あるいは、何かで話題に出たのか。とにかくまさかこんなに近くで拝見することになろうとは思わなかった。相撲界の話題はタイムリーで大変勉強になった。
 馬風さん。出てきた瞬間に空気が変わる。そして第一声「ようこそ、いらっしゃい」にやられた。このたった一言でぐっと心つかまれるこの感じ。たっ、たまらねぇ。うっとりと見上げていたら、完璧なキーで美空ひばりメドレーを。ステキ!ステキすぎるこの師匠。これはもう「抱いて!」レベルである。

 落語初心者なので、全ての落語の感想を述べることができないのが残念だが、あの寄席の雰囲気というのは最高だった。色物さんも皆ステキであった。楽しい。本当に楽しい。たくさん笑ってシアワセな半日でした。

2018年4月17日火曜日

20180414 毎日新聞落語会 渋谷に福来たるSPECIAL2018 〜落語フェスティバル的な〜

「春爛漫 志らく・兼好・一之輔三人会+
渋谷区総合文化センター大和田 さくらホール 19:00
トーク
立川こはる反対俥
立川志らく洒落小町
春風亭一之輔蛙茶番
三遊亭兼好崇徳院
 シブラク~からの、である。今回は「志らく・兼好・一之輔三人会+」の「+」の部分、すなわち、こはるさん目当てでいったのである。あとの三人はどうでもいいというわけでは、もちろんないが。
 大きめのハコでお客さんも多く、また演者との距離もだいぶあるので、いつもと違った雰囲気で楽しめた。いつもの小さめのところもいいけれど、ホール落語もけっこうすきだ。
 写真は会場の2Fに展示されているプラネタリウム投影機。「カールツァイスIV型」とのこと。けっこうデカい。かっこいい。
 まずは志らくさん、一之輔さん、兼好さん三人のトークでスタート。主に最近テレビへの露出の多い志らくさんをいじるコーナーか。テレビではコメンテーターなどしているため、番組における発言に対する批判や、テレビでのコメントに関連するツイートが炎上、といった話題を中心に。志らくさんは、いじられキャラ、きっとそう。でも明らかに後輩の一之輔さん兼好さん、特に兼好さんは、絡みづらそう、とか思ってしまった。多分志らくさんフルスロットルでいじられます、って空気というわけでもないからなんだろうな。そんなビミョーな空気が漂うトークであった。
 この日のこはるさんは、すごかった。お約束のいつものつかみなんだけど、しっかりつかまれてしまう。軸は同じでも、その時々のアレンジが素晴らしい。反対俥。こはるさんの口調にとてもあっていて惚れ惚れした。小僧が後の大御所三人差し置いて全て持っていった、そんな気すらした。他者との関係性の上において何ごとかを生み出せるのは、もしかしたら女性ならではの強みなのかもしれない。
 洒落小町、初めて聴いたが、ちょっとシャレが高度でついていくのが大変だった。いつもサブカルっぽいのばっかり見すぎなためか、メインストリームについていけてないことを反省。落語というジャンルは本来サブカルにカテゴライズされるらしい。なのに、メインストリーム。志らくさん。やはりテレビの力なんだろうか。

 不機嫌がウリという一之輔さんだが、ものすごい安定感だった。安心して笑える感じ。私がいつも観にいくのとは、明らかに違う雰囲気で新鮮だった。寄席というバックグラウンドがあるというのは、こういうことなのだろうか。ポッドキャスト情報によると、兼好さんは萬橘さんと仲良しとのことだが、トークでの仕草とか、なんだか似たところがある二人だと思う。崇徳院、若旦那のキャラがすごくおかしくて、若旦那がしゃべるたびにヒヒってなってた。また今度なにか狙って行ってみたい。

2018年4月16日月曜日

20180414 渋谷らくご

ユーロスペース 14:00
雷門音助不動坊
柳亭市童竹の水仙
立川こしら長屋の花見
瀧川鯉八多数決 減点法
 この日は遅刻していって、音助さんの半分くらいから。自分の聴く体勢が整わず前半は少し落ち着きなく、あまり噺に入れなかったのが残念。そして後半。たいへんなものを見てしまった。鯉八さんである。まとっている空気がただものじゃない。そして唯一無二感がすごい。ちょっとまだ受け止めきれていない。芸が素晴らしいのはもちろんのこと、それ以上になんだか演者その人が気になってしょうがないのだ。恋か。あ、鯉。未だぞわぞわしている。夢に出そう。また、最近お痩せになったとのことだが、使用前を存じていないので、まだ太ってるじゃん(失礼!)とか思ってしまった。しかしあの前髪いいなー私もしたい。
 というわけなので、ヒザのこしらさんがなんだか頼れるアニキな感じで、意外な一面だと思った次第である。2月のマゴデシ会での志ら乃さんのアニキっぷりとはまた違い、表面には出さないけれど芸で全体を支えてあげよう、みたいな感じなのかなという印象。現時点ではあくまで想像の域を出ないのだが、また実感できるような出来事があるのだろうかないのだろうか。そしてこの後は、そんなステキなアニキたちの師匠が出演する、大和田の毎日新聞落語会へ。



2018年4月10日火曜日

20180409 新ニッポンの話芸in成城ホール

通算すると第39 19:00
武助馬三遊亭萬橘
宮戸川立川こしら
権助魚鈴々舎馬るこ
 なんか、いろいろ、すごかった!(新井素子みたい?)客席は少し空きがあるようだったが、会場の空気が良かったように思う。「拝見しましょか」とか「笑わしてもらいましょか」でなく、いい感じにのっかってくタイプのやつ。トリの馬るこさんは、ものすごく飛ばしている感じでステキだった。そう、まるでグリーン上を飛んでいくゴルフボールのようだった。きっと今いろいろとノッてる時期なんだろうな、とお見受けした。そして、おなかのムッチリ感もよい。こんど寄席のトリを取られるとのこと、聴きにいけるといいな。
 こしらさんの宮戸川、つい先月、渋谷らくごで聴いて後半部分に軽く衝撃を受けていたので、今日も後半あるのかな~と思って聴いていたら、ちゃんとあって、そしてあのサゲ、いいなぁ。他の人のは聴いたことがないけれども、独自のアレンジなんだろうと判ることができる、そういうオリジナリティを出せるのは、表現者としてものすごい強みだよな、としみじみ思う。
 比べるのも違うとは思うのだが、こしらさん・馬るこさんは「よっしゃ!今日も笑わしたる!」みたいな感じがするのに対し(もちろん嫌な感じのやつではないよ)、萬橘さんは「まぁ笑っても笑わなくってもどっちでもいいですよ~」というような程よい力の抜け加減を感じることができて、リラックスしてのっかっていけるのが気持ちいい。と思いきや実はマクラでガッチリつかまれていて、噺の世界へもって行かれてしまうのだが。いや~ほんとにすごかった。説明する為に持つ言葉が足りなくて、もどかしい。こうしてふりかえると、萬橘さん神がかっていたな。
 最後のフリートークには、かしめさんの姿も。トークしてたわけではないけれど。総じてものすごく楽しい会だった。このような会を提供してくれる人々に、感謝。そして偶然とはいえ、あの場を共有してくれた方々にも。いまだ冷めぬ興奮をここに少しでものこせていたらいいな。


2018年4月3日火曜日

20180330 あかぎ寄席NEXT「三遊亭萬橘」独演会

赤城神社 参集殿 19:00
のめる三遊亭まん坊
提灯屋三遊亭萬橘
火事息子三遊亭萬橘  
 会場の赤城神社は、日本で一番オシャレな神社だそうです。2020年の東京五輪メイン会場となる「新国立競技場」をデザインした隈研吾さんの監修によって、2010年に生まれ変わり、再生プロジェクトはグッドデザイン賞を受賞したとのこと。ふむ。桜が散り始めたころで、いい雰囲気でした。
 まずは念願かなって、まん坊さんを拝見することができ大変うれしかったです。いろんなところが、師匠にそっくり。そんなところまで真似るものなの!?という感じで、なかなかの見ものでした。あれ?じゃあ萬橘師匠のクセだと思っていたところも、圓橘師匠ゆずりということなのかな。確認したい。

 最近落語を聴くときは、なるべくニュートラルな状態で臨むようにしようと思っていて、萬橘さんのことが本当は大好きなんだけど、そっち方向の感情的な期待感みたいなものをなるべく排除して、フラットな気持ちで噺をっていきなりもっていかれました。ぐわっと空気が変わる感じは気持ちよかったし、あの雰囲気そのものが心に残っているというこの状況をつくりだせるというのは、一体どういうことなんだろうかと考え続けてしまうという。いやもうすっかり萬橘ワールドにはまっていますね、これは。萬橘さんは、第一印象は、なんとも形容しがたい空気をまとっているのだけれども、ひとたび話を聞けば、カッコイイ、の一言に尽きる。そんな人だと思った。

2018年3月23日金曜日

20180322 こはるパラダイス

横浜にぎわい座小ホール「のげシャーレ」19:00
たらちね立川談洲
長屋の花見立川こはる
雨のベルサイユ立川こはる
 かしめさんが受付周辺にいらしたので、今日の開口一番はかしめさんだ~!と思っていたら、ちがいました。かしめさんファンなので。談洲さんがイヤってわけでは決してないのですが。談洲さんは、先週末のマゴデシ寄席でも拝見したばかりだったので、私の談洲さん濃度があがってきていて、よい感じです。先日も思ったのですが、けっこうな早口で話されるので、たらちねは、名前をいうところなんか、すごい早く言うとおもしろいから、たのしかった!高座にあがられなかったかしめさんは、仲入りの携帯電話の注意事項にて存在をアピールされていて、さすが、と思いました。

 任侠流山動物園シリーズでは、会場もテンションがかなり上がっていて、すごくよかった。しかし、これだけ複数の人に演じられたら、もはや新作ではないよね。既に古典の殿堂入りだと思う。もっといろんな人のバージョンも聴いてみたくなりました。あと、時間の制約があるので、そういう訳にもいかないのかもしれませんんが、どの噺も、もう少しゆったりとした間で聴いてみたいものだと思った。テンポも大事なのかもしれないが、とりに行って、笑って、みたいな高座と客席とのやりとりみたいなものがあればいいな、と。時空を共有する感覚が、ライブの醍醐味ですね。

20240928 もっと!新ニッポンの話芸スピンオフvol.4

 内幸町ホール 19:00開演 立川こしら 鈴々舎馬るこ 広瀬和生(トークのみ) ゲスト:柳亭信楽 ナツノカモ 信楽…お馬さん ナツノカモ…最後の夢 こしら…高田馬場 仲入り 馬るこ…怪談長短 アフタートーク  「新ニッポンの話芸ポッドキャスト」を聴いていると2倍、いや100倍楽...